2008-04-06 21:01:53
カテゴリタグ: 社会
道路特定財源とは

ガソリンにかかる税金などの「道路特定財源」の暫定税率が1日に期限切れとなった。その結果、ガソリン価格は下がることになり、全国各地で「値下げ合戦」が始まった。一方では、歳入欠陥が現実味を持ったことにより、中止・凍結となる道路工事が少なくないなど、列島は「暫定税率騒動」に包まれたかのようだ。騒動の発端となった道路特定財源とは。
◇暫定税率は「上乗せ分」
私たちが自動車を購入した場合、まずは取得価格の一定割合が「自動車取得税」として徴収される(3月31日までは5%)。その後も、ガソリンを給油するたびに「揮発油税」と「地方道路税」がかかり、車検ごとに「自動車重量税」がかかる仕組みになっている。
これらの税金は国や地方自治体が徴収し、いずれも国道や都道府県道などの建設・整備に使うことが法律で定められている。自動車を走らせるためには道路が必要で、その道路の建設・維持費は自動車ユーザーが負担するという考え方だ。
消費税や所得税などの税金は社会福祉、教育、環境、防衛、公共事業など幅広い分野に使われ、使い道が限られないことから「一般財源」と呼ばれている。これに対し、特定の分野に使い道が限られる税金を「特定財源」と呼ぶ。
道路に使われる税金が道路特定財源で、自動車取得税、揮発油税、地方道路税、自動車重量税のほか、主にディーゼルエンジンに使う軽油にかかる「軽油引取税」、タクシーなどが使うLPG(液化石油ガス)にかかる「石油ガス税」がある。
ガソリンを給油する際には、暫定税率が期限切れになる3月末までは、揮発油税と地方道路税で合わせて1リットルあたり53・8円が課税されていた(これとは別に、1リットル153円の場合、消費税が7・3円課税)。揮発油税と地方道路税の税率は本来、法律で1リットルあたり原則28・7円と定められている(本則の税率)。実際に課税されていた53・8円と28・7円の差額の25・1円(軽油は17・1円)こそが、今回期限が切れた暫定税率。つまり、本来の税額に上乗せしている部分を指す。
ところで、暫定税率とは文字通り、一定の期限を設けて暫定的に税率を上げたり、下げたりする制度だ。これまでも5年おきに期限切れは訪れていたが、政府がその都度、国会に税率延長の改正法案を提出し、与党の賛成多数によって可決、成立してきたため、税率は下がることはなかった。
しかし、今回は勝手が違った。衆参両院で与野党が逆転した「ねじれ国会」の中、民主党が「道路を聖域化せず、福祉や教育、環境など国民のニーズによって税金の使い道を決めていくべきだ」と強く主張。道路特定財源の一般財源化と暫定税率廃止を2本柱で訴え、政府提案をはねつけたため、暫定税率の期限は切れ、ガソリンや軽油が値下げされることになった。自動車取得税も税率は5%から3%に下がり、自動車重量税の暫定税率は4月30日に期限が切れる。
道路特定財源は08年度予算で国と地方を合わせて5兆4043億円、このうち暫定税率分は2兆6004億円だ。5兆4043億円のうち、国税として徴収されるのは3兆3366億円だが、国の一般会計や道路整備特別会計を経由して国の道路整備に使われるもののほか、国から交付金などとして地方に配分されるものもある。
一方、国会論戦などを通じて、道路特定財源として徴収された税金が、国土交通省のタクシーチケットやカラオケセット購入など道路建設・整備以外に使われていたことが判明。税の使い方が問題になった。
日本では暫定税率分(1リットルあたり25・1円)を含め、ガソリンにかかる税額は63円だったが、国際的に比較してみると--。
国際エネルギー機関(IEA)の昨年の調査によると、アイスランドを除く経済協力開発機構(OECD)加盟29カ国中、日本の税額は6番目に安く、政府が暫定税率を維持しようとする論拠の一つになっている。
税額が高いのは欧州諸国だ。07年4~6月では、1リットルあたり英国は149円、ドイツは142円、フランスは133円。ガソリン価格はいずれも1リットル当たり200円を超える。原油高騰のあおりを受けた今の日本の価格よりもかなり高い。
一方、税額が安いのは米国、カナダ、オーストラリアなどで、たとえば米国は1リットルあたり12円。これらの国は国土が広大なため、自動車が不可欠でガソリンの消費量が多い点で共通している。
税額の推移を80年を基準に比較すると、日本は07年までまったく増減がないが、英国は4・8倍、独仏はいずれも2・9倍になっている。英国は90年代、温室効果ガスの排出量抑制を目的に段階的に税額を引き上げた。環境への意識が高い欧州では「環境税」として上乗せされているケースも多いという。
自動車関連の税収を道路整備にあてる道路特定財源制度は、20世紀初頭の英国を皮切りに、50年代には仏独でも導入された。ただ、英仏ではすでに廃止され、ドイツも特定財源制度は残っているが、毎年の予算法でほぼ一般財源化し、年金保険料の引き下げなどの財源にあてている。
米国は燃料消費税、タイヤ税などを「連邦道路信託基金」として集め、道路の整備や維持費にあてる特定財源制度を維持している。
国土交通省の担当者は「日本のように暫定税率が30年以上も維持された例は世界にない」と語る。
抜粋 毎日.jp
・コメント
民主党は「タダだ、タダだ」と騒いでいます。国交省は「68兆円が必要だ」と強調しています。いつまでも平行線です。メディアも右往左往しながら、的を得た結論を出せず騒いでいます。ではどうすればいいのでしょうか?。
簡単です。情報開示で細かいところまで数字を出すしかないのです。特定財源では隠れ蓑になってしまい、実態が見えないままです。ここを改善するだけでいいのです。その数字をもとに、「そもそも必要な路線なのか、必要でないのか」、「3車線を2車線にするか、2車線を1車線にするか」などを地元の意見をききながら判断するしかないのです。
こうした作業を積み重ね、数字を圧縮し効率化を図るしかないのです。このままだと、またいつもの無責任な、ばらまきになってしまいます。
「タダにしろ」とか「道路特定財源は道路で使いきれ」などと変な意見がありますが、問題はそこではありません。非効率な体制なのです。公でも民をもしのぐコスト感覚で事業を行えば、赤字どころか利益を上げる事すら可能です。
現在、日本国は800兆円の借金大国であり、借金はいまも増えつづけています。抜本的な税財政改革の前に、ほんとうに無駄はないか、国民の負担はどうあるべきか。地道な改革を淡々と薦めていくしかないと思います。

ガソリンにかかる税金などの「道路特定財源」の暫定税率が1日に期限切れとなった。その結果、ガソリン価格は下がることになり、全国各地で「値下げ合戦」が始まった。一方では、歳入欠陥が現実味を持ったことにより、中止・凍結となる道路工事が少なくないなど、列島は「暫定税率騒動」に包まれたかのようだ。騒動の発端となった道路特定財源とは。
◇暫定税率は「上乗せ分」
私たちが自動車を購入した場合、まずは取得価格の一定割合が「自動車取得税」として徴収される(3月31日までは5%)。その後も、ガソリンを給油するたびに「揮発油税」と「地方道路税」がかかり、車検ごとに「自動車重量税」がかかる仕組みになっている。
これらの税金は国や地方自治体が徴収し、いずれも国道や都道府県道などの建設・整備に使うことが法律で定められている。自動車を走らせるためには道路が必要で、その道路の建設・維持費は自動車ユーザーが負担するという考え方だ。
消費税や所得税などの税金は社会福祉、教育、環境、防衛、公共事業など幅広い分野に使われ、使い道が限られないことから「一般財源」と呼ばれている。これに対し、特定の分野に使い道が限られる税金を「特定財源」と呼ぶ。
道路に使われる税金が道路特定財源で、自動車取得税、揮発油税、地方道路税、自動車重量税のほか、主にディーゼルエンジンに使う軽油にかかる「軽油引取税」、タクシーなどが使うLPG(液化石油ガス)にかかる「石油ガス税」がある。
ガソリンを給油する際には、暫定税率が期限切れになる3月末までは、揮発油税と地方道路税で合わせて1リットルあたり53・8円が課税されていた(これとは別に、1リットル153円の場合、消費税が7・3円課税)。揮発油税と地方道路税の税率は本来、法律で1リットルあたり原則28・7円と定められている(本則の税率)。実際に課税されていた53・8円と28・7円の差額の25・1円(軽油は17・1円)こそが、今回期限が切れた暫定税率。つまり、本来の税額に上乗せしている部分を指す。
ところで、暫定税率とは文字通り、一定の期限を設けて暫定的に税率を上げたり、下げたりする制度だ。これまでも5年おきに期限切れは訪れていたが、政府がその都度、国会に税率延長の改正法案を提出し、与党の賛成多数によって可決、成立してきたため、税率は下がることはなかった。
しかし、今回は勝手が違った。衆参両院で与野党が逆転した「ねじれ国会」の中、民主党が「道路を聖域化せず、福祉や教育、環境など国民のニーズによって税金の使い道を決めていくべきだ」と強く主張。道路特定財源の一般財源化と暫定税率廃止を2本柱で訴え、政府提案をはねつけたため、暫定税率の期限は切れ、ガソリンや軽油が値下げされることになった。自動車取得税も税率は5%から3%に下がり、自動車重量税の暫定税率は4月30日に期限が切れる。
道路特定財源は08年度予算で国と地方を合わせて5兆4043億円、このうち暫定税率分は2兆6004億円だ。5兆4043億円のうち、国税として徴収されるのは3兆3366億円だが、国の一般会計や道路整備特別会計を経由して国の道路整備に使われるもののほか、国から交付金などとして地方に配分されるものもある。
一方、国会論戦などを通じて、道路特定財源として徴収された税金が、国土交通省のタクシーチケットやカラオケセット購入など道路建設・整備以外に使われていたことが判明。税の使い方が問題になった。
日本では暫定税率分(1リットルあたり25・1円)を含め、ガソリンにかかる税額は63円だったが、国際的に比較してみると--。
国際エネルギー機関(IEA)の昨年の調査によると、アイスランドを除く経済協力開発機構(OECD)加盟29カ国中、日本の税額は6番目に安く、政府が暫定税率を維持しようとする論拠の一つになっている。
税額が高いのは欧州諸国だ。07年4~6月では、1リットルあたり英国は149円、ドイツは142円、フランスは133円。ガソリン価格はいずれも1リットル当たり200円を超える。原油高騰のあおりを受けた今の日本の価格よりもかなり高い。
一方、税額が安いのは米国、カナダ、オーストラリアなどで、たとえば米国は1リットルあたり12円。これらの国は国土が広大なため、自動車が不可欠でガソリンの消費量が多い点で共通している。
税額の推移を80年を基準に比較すると、日本は07年までまったく増減がないが、英国は4・8倍、独仏はいずれも2・9倍になっている。英国は90年代、温室効果ガスの排出量抑制を目的に段階的に税額を引き上げた。環境への意識が高い欧州では「環境税」として上乗せされているケースも多いという。
自動車関連の税収を道路整備にあてる道路特定財源制度は、20世紀初頭の英国を皮切りに、50年代には仏独でも導入された。ただ、英仏ではすでに廃止され、ドイツも特定財源制度は残っているが、毎年の予算法でほぼ一般財源化し、年金保険料の引き下げなどの財源にあてている。
米国は燃料消費税、タイヤ税などを「連邦道路信託基金」として集め、道路の整備や維持費にあてる特定財源制度を維持している。
国土交通省の担当者は「日本のように暫定税率が30年以上も維持された例は世界にない」と語る。
抜粋 毎日.jp
・コメント
民主党は「タダだ、タダだ」と騒いでいます。国交省は「68兆円が必要だ」と強調しています。いつまでも平行線です。メディアも右往左往しながら、的を得た結論を出せず騒いでいます。ではどうすればいいのでしょうか?。
簡単です。情報開示で細かいところまで数字を出すしかないのです。特定財源では隠れ蓑になってしまい、実態が見えないままです。ここを改善するだけでいいのです。その数字をもとに、「そもそも必要な路線なのか、必要でないのか」、「3車線を2車線にするか、2車線を1車線にするか」などを地元の意見をききながら判断するしかないのです。
こうした作業を積み重ね、数字を圧縮し効率化を図るしかないのです。このままだと、またいつもの無責任な、ばらまきになってしまいます。
「タダにしろ」とか「道路特定財源は道路で使いきれ」などと変な意見がありますが、問題はそこではありません。非効率な体制なのです。公でも民をもしのぐコスト感覚で事業を行えば、赤字どころか利益を上げる事すら可能です。
現在、日本国は800兆円の借金大国であり、借金はいまも増えつづけています。抜本的な税財政改革の前に、ほんとうに無駄はないか、国民の負担はどうあるべきか。地道な改革を淡々と薦めていくしかないと思います。
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